▼想像力2011/03/22 21:39 (C) 精のノート
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震災から一週間。
名取の両親の顔を見たかったのと同時に、なんとかやりくりしていた食料も底をついたらしいので、応援に行ったのだ。
宮城は今、深刻な物資不足に陥っている。
被災地ではスーパーなどが優先的に避難所に物資を供給しているため、モノがない。だから、多くのスーパーが閉店しており、開店しても需要に見合うだけのモノがないのだそうだ。ガソリンも圧倒的になく、買いに出かけることも不可能な状況。
仙台空港近くの友人宅も深刻な食糧難に陥っていたため、少しの食料を携え行ってきた。なんとそこでは近隣で家を流されてしまった両親や親せきなどが集まって10人以上で2階で生活していた(1階は津波で浸水にあったため、使用できない)。
近くにはスーパーがなく、他の地区のスーパーに行こうにもガソリンがない。
しかもほとんどの店が閉店。
このような状況で、みんなが辛い思いをしていたらしい。
付近の人はみんなどこかへ行ってしまい、取り残されていたらしく、支援も入っていない状況。聞くと、近くにも似たような境遇の人が集まっていると聞き、わずかに残っている餅を届けてきた。
公的な避難所ではなく、NGOも入っていない集会所だ。
近隣の避難所に食料をもらいに行ける人はまだいいほうで、避難所での生活をやめた人、あるいは親せきを頼って、災害のひどい地域にいまだに残っている人たちは支援の盲点となっている。そうでなくても、宮城県全般において、深刻な食糧難に陥っている。
想像以上の状況だった。
ある情報では、物資はある程度足りてきていると言っていた。
ところが、現実は想像を超えるものである。
人は想像するという能力を神から授けられた。
今年度、僕のクラスの授業でも想像力についての授業をした。
想像することで、人類はあらゆることを成し遂げることができた。
今、想像することが求められていると思う。
被災地の人の状況を想像する。
彼らの心理を想像する。
これからのことを想像する。
そうするとここ米沢にいる我々の行動も変わってくるはずだ。
ちょっと想像すれば、私たちと被災地の方とのつながりも想像できるはず。
訪れた友人の子供は、津波のことがトラウマになっているようで、水が怖くなってしまったそうだ。たぶん、お風呂なんてとんでもないと母親は言っていた。
彼らの今後のことも想像することも必要だ。
学校に行けなくなった子どもたちもいるだろう。
文房具がない子どもたちもいるだろう。
今は春休みシーズンで比較的ボランティアも集まりやすいが、これが終わったら・・・。
生き残ってしまったと考えてしまう人もいるらしい。
彼らの未来も、生き方も想像しなければいけない。
私たちにはたくさんのやるべきことがある。
それでも、私たちは「想像力」を使い、解決していかなければいけないと思う。
人は想像することで、宇宙へ行くことも可能にした。
それならば、想像することで、不可能に思えることも可能にすることができるはず。
さすがに買い占めなどと言う愚かな行動はなくなったと思う。
それでも自分たちの行動がどうつながっていくのか、被災地の人の心情はどうなのか、遠くにいても考え続け、自分たちを律していかなければいけないと思う。
それが今求められている「想像力」であり、本校の「譲」の精神につながることだと考える。