▼尾長嶋 熊野神社2016/07/21 08:15 (C) 獅子宿燻亭6
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20日、川西町尾長嶋の熊野神社に訪れた。
尾長嶋工業団地の外れにある。
まさか連休明けの平日にお祭りは?と半信半疑で行ってみると、のぼり旗が夏空の下で
たなびいていた。
丁度、神社では拝殿で総代と宮司の方々が会食中だった。
参拝をすると、突然の訪問者へ代表者の方が対応してくれた。
獅子頭の拝見のお願いをすると獅子頭は近くの別当の寺にあるという。
・・では連絡してあげようと携帯で取材交渉を買って出てくれたのだ。
これ以上の親切は無い。
街道沿いの光玉寺(こうぎょく)に訪れる。ご住職はもう獅子頭をテーブルに出して待っていてくれ
た。獅子頭を見たい来客というは百年に一度位の超珍事なのだろう。
この獅子頭はそもそも熊野神社の獅子頭ではなく、傍にあった文殊菩薩に伝わる獅子頭だったそう
だ。30年程前に熊野神社の例祭で子供の獅子の練り歩きに復活したようである。
囃子については途絶えてから久しく、現在は花笠音頭などの民謡を流しながら御神輿渡行している。
獅子頭の内部は塗りが無く、墨書きで記名が残されていた。
「奉納獅子 一頭 当邑 彌六 弘化三年 六月廾五日 自作之」
弘化三年は西暦1846年というこは170年前に奉納された獅子頭ということになる。
「自作之」は判別が難しく推測である。
170年前の獅子頭にしては状態が良いので驚く。
獅子頭は小振りのサイズで、軸棒に噛み痕が見られるので
被って軸を噛んで固定し演じたのだろう。
獅子幕は唐草模様で二間ほどあり二三人は入れる大きさだった。
現在獅子の練り歩きの中心である男子中学生が数名しかおらず、子供会育成会の若い親達の参加も
年々衰退しているという。
一度途絶えた地域の伝統を、再び磨いて後世に伝えるものに復元する事は決して不可能ではない。
誰かが伝統文化を習得し、その地に馴染む形にデザインすれば良い。
しかし、地区民がそれを受け入れ、楽しさを感じるものでなくてはならない。