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▼さらばアメリカ−オバマの矛盾

オバマのノーベル賞受賞演説が波紋を呼んでいる
アフガンでの戦闘を“正しい戦争”と表明したことにだ


“核兵器なき世界”を目標に掲げての国際外交が評価されて受賞したのに
戦争の最終手段は指弾しておいて“核兵器なき戦争”を肯定するとは
フルコンタクトは空手に非ずして “寸止め”や“防具付”のみを
正当な空手として認める的な?本末転倒の自己防衛の理屈と変わらない
(かなりマニアックな比喩で申し訳ない・・)
そういうふうにとられても仕方のないようなことを言っている
熱烈な支持者であったマイケル・ムーア監督が落胆するのもしかたない

核兵器を開発し大量保有し 唯一使用した加害国アメリカ
その国の代表が核兵器なき世界を標榜したのは画期的なことであった
世界中の平和を希求する人々に大きな夢と希望を与えてくれた
あの時点での平和賞受賞決定は 妥当であったと思う 私は
でも いかんせんあれは『先付け小切手』であった
要するに あの時点では紙切れで 将来の履行を見越して発行された小切手
先付け小切手に商取引上の金銭的価値がないように
あの発言で 彼の受賞はまったく意味を失ってしまった

彼は“正しい戦争”と言ったが
戦争に“正しい”も“正しくない”もないのは歴史が証明している
戦争は どんな理屈をつけても大量殺人行為だ
世界の平和と最も離反し それを否定する行為であることは言うまでもない
アフガンは傀儡政府が不安定でタリバンが勢力を拡大しアルカイダも暗躍
政情が混沌としていて不安定そのものなのはまちがいない
でも3万人の兵力増強で解決できるとでも思っているのだろうか
仮に増派による戦闘でタリバンとアルカイダを殲滅できたとしても
反米感情の蓄積と連鎖は また新たな“テロ組織”を生み出す
どこかで手を引かなければ 憎悪の連鎖は止まらない 絶対
“テロとの戦い”と言えば聞こえはいいが
相手は“テロ的な”戦い方しか手段をもたない武力組織
お互いに自分達の正義の下に戦っている
別に“テロ組織”を擁護するつもりはないが
すくなくともアメリカにだけ正義があるわけではない 公平に見て

オバマがこのままアフガンにのめっていけば
ベトナム戦争の再来が危惧される
あの時 アメリカは大きな代償とともに学んだのではないのか
戦争の 空しさ あほらしさ 無意味さ 罪深さ
そして 正義などどこにもなかったことを・・

オバマよ あなたに希望を託した世界中の平和を愛する人々に
深い失望を与えないでくれ
まだ少し残っている希望の火を消さないでくれ お願いだから




2009/12/12 10:50 (C) FPのひとりごと
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