▼【山形の企業】正しい靴を届けたい!宮城興業2011/06/02 12:06 (C) 原田幸雄の「これからどうする!?」
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前にも書いたが、私は宮城興業さんの靴を愛用している。
STリラックス数足を毎日履き回ししている。
そのうちの一足の靴底にちょっと不具合でてきて、赤湯の用事のついでに、宮内の宮城興業さんの工場を昨日お訪ねした。
工場併設のお店に入って、修理をお願いした。
帰り際、宮城興業さんに勤務する知り合いSさん(息子同士が同級生)の名前を告げると、、、
「いますよ、呼んできますか」とのこと。
打合せ中にも拘らず、Sさんが抜けだしてきてくれた。
ひとしきりお話をして帰ろうとすると、「原田さんせっかくだから、社長をご紹介しますよ」との展開。
ちょっと、慌てたがせっかくの機会なので、ご挨拶させていただくことに。
結局、高橋和義社長とは社長室の作業台を挟んで1時間も話をお伺いすることになった。
いろいろ話をお伺いした中で、興味深かったのが、
「正しい靴を提供したい」というツブヤキ。
思わず「正しい靴ってなんですか」と突っ込んでしまった。
左上を見上げながら、しばしの沈黙の後に、
「一人ひとりのニーズにそったフィットする靴かな」、と。
話してくれた二つのエピソードがまた興味深い。
1つ目は、新潟からきた80代のおじいちゃんの話。
宮城興業が取り上げられたNHKの番組を見たこのおじいちゃんはNHKに宮城興業の住所を問い合せてわざわざ訪ねてきてくれたのだという。
そんな経緯をひと通り話したあと、およそオーダーメードの靴など関係なくなったような年格好だが「冠婚葬祭で履ける靴が欲しい」という。
足が少し不自由で装具も付けていらっしゃる。紐も結べそうにない指先。どうしたものか思案した後、社長みずからデザインしたのが写真の靴である。(試作段階)
簡単に装着できるベロがあり、ズボンを履くと、そのベロは隠れて普通の靴に見えるのだそうだ。
2つ目は、85才のおばあちゃんと娘さんの話。
歩くのさえやってのおばあちゃん。でも娘さんは何時までもおしゃれでいて欲しい欲しいという願いがあって、わざわざ連れてきてくれたそうだ。
丁寧に話を聞いてさし上げた上で、おばあちゃんが歩きやすく、暖かい、そして安全な靴をフルオーダーメードでつくってさし上げたそうだ。(スケッチを見せていただいたが、短めのブーツのような靴だった)
これには後日談があり、しばらくしてもう一足別な靴の注文をこれまたフルオーダーメードで頂戴したそうだ。1足、◯万円の靴である。
高橋社長が言うには「靴もご多分にもれず生産の大半が中国に行き、消費者は規格化された安い靴を大きな店の店頭でかわされている。人の足は一人ひとり左右違うのに。」と。
さらに「そんな時代だから、自分は一人ひとりの話を聞いて、その人が欲しがる靴をきちんとフィットさせて届けたい」と続けた。
そのための事業展開を考えている、ようだ。
実はこの話もすこし伺ってきているのだが、実際にうごきだしてからご紹介してみたい。
高橋社長、楽しみにしています!