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▼生と死のあいだ

昨日、おばあちゃんが亡くなった。
88歳だった。

うちのお父さんのお母さんだ。
お父さんは婿なので、一緒には住まなかったけれど、
中山のばあちゃんの家が大好きで、
小さい時はよく泊まったりしていた。

ひょうきんなお父さんを生んだだけある、
面白くて器の大きい、豪快なばあちゃんだった。
波瀾万丈の人生だったんだってと、いつも母から聞いていた。
それを静かに感じさせる、ボスみたいな大きい存在感で、
いつもニコニコしていて元気で、なぜか死なないと思っていた。

最近、人はいつか死ぬんだな、ということがやっとわかってきた。
子どもの時は、自分も両親も、
永遠にあるってなんの迷いもなく思ってる。
今自分も、子どもを置いて死ぬなんてないと思ってる。
でも、子どもも自分もいつか死んじゃう。

そういう事が、最近、
どういう気持ちで処理していったらいいのかよく分からなくなった。
感傷的になったり、しょうがないでしょ、って思ったり。

ただ、ベットの中にいたばあちゃんは、
たくさんの人生を、一生懸命生きて、人を愛した
生き切った、素晴らしい顔をしていた。
心から尊敬した。

わたしみたいにごちゃごちゃ考えることもなく、
ひらすらに生きたであろう中山のばあちゃん。

たくさん遊んでくれてありがとう。
美味しいご飯作ってくれてありがとう。
笑ってくれてありがとう。

私も、いつかそう誰かに思われるような、
生き切った、そう思えるような、
人生を終えたい、見本のような中山のばあちゃんの人生。

今までで一番、死ということを身近に感じた気がした。

自分は、どんなふうに死にたいのかな、と思った。
生と死のあいだの一日。



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