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▼土地のこと(2)

私が買った土地は前の持ち主の家が建っていたので、
 更地にして売ってくれることになっていました。

 取り壊しが終わって、工務店さんへ基礎工事についての
 打ち合わせをしに行ったところ、
 「先日ですね、着工前の地盤の調査をしたんですが」と、
 鎌田専務が地盤調査報告書を見せてくれました。
 表紙には 調査を委託した会社の名前が書いてあります。

 『技術と信頼を提供する(株)ピコイ』

 ピ、ピコイ?
 ピコイって何だ?
 何かの略なんだろうか?
 地盤調査・工事をする会社にしてはカワイイなまえ・・・。

 後日、検索してみたら、本社は新潟の会社でした。
 http://www.picoi.co.jp 
 Piは6つのコンセプトの頭文字のようです。
 (coi(コイ)は謎でした)

 社名はカワイイですが、
 企業姿勢は武士道を重んじているようで、
 吉田松陰の『士規七則』の三番目に謳われている

『士の道は義より大なるはなし。
 義は勇に因りて行はれ、勇は義に因りて長ず』

 という言葉を会社の姿勢に重ね合わせているとか。

 ピコイのホームページによると、
 今年社長が交代したらしく、元社長は三年前、
 「ピコイの社長になりたいものは集合。老若男女、学歴不問」
 と社員全員に通達し、手を挙げた15名を対象に社長育成塾を開塾。
 ふさわしいと判断した一人を任命したと書いてありました。
 ちょっと面白い企業のようです。

 さて、本題に戻りますが、
 調査表のページをめくりながら、専務が細かく説明をしてくれました。
 調査内容には『スェーデン式サウンディング試験』と書いてあります。

 北欧式かぁ〜、ふふ、オシャレな調査だな〜と、
 またしても余計なところに反応してしまい、
 呑気なことを考えているのもつかの間のこと、
 結果は困った事態になっていたのです。


 建て壊しが行われたのはまだ雪が降ってきた時期で、
 深く掘り返したことで水分を含んでしまい
 地盤がゆるんでしまったというのです。
 たしかに土地を見に行ったら、
 耕したばかりの畑のように土がふかふかとしていて、
 じゅがいもでも植えたら、とてもよく育ちそうな雰囲気でした。

 しかし、家を建てるには、かなり問題。

 「ある程度ほっておけば、自然と占め固まるんですけどね〜」と専務。
 「でも長い間、今の家賃と土地のローンを平行して払い続けるのは
  辛いですぅ(っていうかムリ)」。

 「今の時点の調査結果はゆるいと出てしまいましたが、
  もともとずっと家が建っていた土地ですから、
  地固めの工事が絶対に必要ではないと思うんですけどね・・・」
 「でも、した方がいいんですかね・・・?」
 「するに越したことはないでしょうけど、費用がですね、
  地中にコンクリートを流す方法があるんですが、
  50万円位になっちゃうようなんです」
 「ひ、ひへ〜。」

 「この工事をする、しないはお客様の判断ですが、
  方法としては、半分の深さまでやる方法もあるそうです。
  それでしたら料金もだいたい半分位で済みますしね」

 どうやって判断すればいいのか、とても悩みました。
 (あみだくじって訳にもいかないしなぁ)

 専務からは、絶対した方がいいという状態でもない気がする。
 自分がここに家を建てるとしたら、工事はしないかもしれない。
 というアドバイスをいただき、

 まぁ、ありがちな考えですが、
 ハーフコースで工事をすることにしました。

 それでもしょっぱなから予算オーバーで、
 ちょっと先行き不安なスタートになりました。
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