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●2006年10月
『花さき山』
 この絵本を手にしたときに、なんだかちょっと怖そうな絵本、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。滝平二郎の挿絵は、切り絵を手法としており、絵本にはめずらしく黒い色が強い印象を与えるからです。
 お話は、主人公の「あや」が、「山ンば」に出会うところから始まります。あやは山菜を採りに入った山で、いちめんに美しい花が咲く場所に迷い込み、「山ンば」に不思議なことを告げられます。ここは花さき山という場所で、そこに咲く一輪の赤い花は、あやが咲かせた花。花さき山に咲いている花たちは、ふもとの村人が、誰かのために辛抱して、ひとついいことをする度に一輪ずつ咲いていく・・
 あやが、祭りの晴れ着を欲しがる妹のために、自分も欲しい気持ちを我慢して、おっかあに妹の分だけ晴れ着を作って欲しいと言ったとき、花さき山に赤い花が一輪咲いたのです。
 自分のことよりも、まわりの人を思いやる気持ち。その気持ちが咲かせる花は、モノクロの世界に暖かく美しい彩を与えています。
 最後のあやの言葉がすばらしいです。
『花さき山』/斎藤隆介作/滝平二郎絵/岩崎書店発行)

画像 ( )
2006.12.01
(C)森の子ども図書コーナー

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